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僕が住む東京郊外のエリアには未だ少しだけ田んぼや畑が残っている。田んぼがあるなら当然近くに水が流れているので、当時4歳くらいだった長男と毎朝、生き物探しをしていた。京王線の百草園という駅がある住宅地には未だ立派な用水路が残っていて、張り巡らされている。その用水路を辿っているうちにまるで小川のような土で囲まれたイケてる(生き物が多い=水が綺麗)用水路と田んぼを見つけた。はじめは用水路の方に入って遊んでいたが、近所の子らが田んぼに入って泥まみれになっているのを見て「え、いいの?入って。」となり、田んぼに突入。長男とヤバいとこ見っけたねー、と遊んでると、その田んぼの主らしき人が現れて作業をはじめた。それが TANBO NO WA のバズくんとの出会いだった。めちゃいいトコですねーと挨拶しつつ、話を聞いてみると、休耕田を子育て仲間と借りて農薬も肥料も使わない「自然栽培で米を作ってるよー」と。それを聞いてブチ上がったのを覚えている。
それから毎年、田植え、生き物調査、稲刈り、そして〆の注連縄作りには家族で参加させてもらったり、出会った当時まだ老舗の自然食品会社で働いていたバズくんが米農家として動き出してから、デザイン全般を担当させてもらう仲になっていく。
バズくんと田んぼの周りにはコミュニティが出来上がっていて、田植えや稲刈りには老若男女の多くの人が参加し、ライブをやらせてもらったり、日野のお囃子隊(これがまたスーパーイケてる)がやってきたり、自主映画の上映会があったりと、いつも賑やか。そんなコミュニティの中心だった田んぼがついに、相続のタイミングで無くなってしまうらしい。よくある話だと思うが、やはり寂しい。一度宅地になってしまうともう田んぼとして復活することはないだろう。東京の郊外において、自然や人や生き物の営みをモロに感じられることができる田んぼの存在は、とても貴重で、お金とは違う立派な資産だと思っている。が、結局お金の問題で無くなってしまう現実が切ない。
若き頃、ラスタの先輩たちに囲まれていたというバズくんとはとてもよく氣があう。子どもたちも懐いているし、田んぼに行くけど?と誘うと「行く!」となるほど生き物探しの遊び場と化している。そして想い返すとバズくんの田んぼで出会う人たちはみんな良い顔をしている。氣が良いのだろう。農薬や肥料に頼らない自然栽培というスタイルは、そこに住む微生物を含めた生き物たちの営み=自然の循環、とひとつになる事で作物を育てる農法だと理解している。健やかな土は、健やかな水そして空気を育む。だから氣がいいのか。
そんな氣が巡る土で育ったお米から作られた米麺、甘酒、餅の取り扱いをスタートします。ぜひぜひお試しください!そして興味ある方は、田植え(6/15・土)にもぜひに!