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いい感じ

えぇ、『GOOD VIBES』。訳すと「いい感じ」。「いい感じ」っていっても人それぞれだと思います。あたくしはそれを「いいじゃん!」と採りまして、今回はその「いいじゃん!」の話を少し...
はじめてその親父と出会ったのは高校の時。友達に連れられてその店に入ったんですね。きったない古着屋でね。古着屋っていうか、古着が店を占拠してる感じ。親父もね、商売する気がないんだ。服見てるとね「とりあえず座りなよ!」つって、奥にある机に通されてね。あれよあれよとパイプ椅子に座らされてるの。でもその椅子に座っちゃうとね、もうその店の一部に自分がなっちゃうっていうかね、とにかくその店に居ついちゃう。親父が座ってる後ろにはジーパンがうずたかく積まれていてね。下の方のジーパンを引っこ抜こうとするもんなら「やめろよ!あぶない」って言われる始末。そんな店にね、あたくしも気づいたら20年くらい居ついちゃった。そこにいるといろんな人間がやってきてね、そりゃあ面白い。テキ屋のおいちゃんから芸人さん、大学教授から中高校生、親父の教え子(親父は元中学校教師)、飛び込みの営業マン(後にバベルブロックを製作してもらう)までいたりして、とにかくそこではみんな普通に交流しててね。世代を超えて話ができる何とも不思議な場所だった。ほとんどの人がそこに服を買いに行くってよりか、親父に会いに来てる感じでね。なんも買わずに帰る。そしてとにかくあたくしはいろんな話を親父にぶつけてましたね。失恋話や下ネタ話、思想のことから学生運動の時のこと、そして音楽についてなどなど、外が暗くなるまでよく親父と話してましたね。例えば自分の中でちょっとした悩みが膨らむときあるでしょう、それが頭の中に膨らんできたら親父のところに行ってぶちまけるの。こっちは必至ですよ。でもね、だいたいどんな悩み事を親父に言ってもまず帰ってくる言葉は決まってて「いいじゃん!いいじゃん!」ってだけ。こっちは拍子抜けする。でもね、その言葉になんか説得されるんだ。そっか、そんなもんなのかって。それで何となく軽くなって家に帰って明日がくる。そんなある日、突然店をたたんじゃってね。寂しかったけどしょうがない、継ぐこともできないしね。そんでたまに振り返ってみると、あのごちゃごちゃした店の中で親父とたくさん話をしたはずなのに、なに話したかほとんど覚えてないんですよね。でもあそこの、居心地の良さと親父が寡黙に本を読んでいる姿はしっかりと覚えてる。あと「いいじゃん!」。そして何より言えることは、あの店の空気をたっくさん吸い込んどいてよかったってこと。

というわけで「GOOD VIBES ONLY」なラグランTEEの登場です。このラグラン、フリーダムスリーブを採用していて、肩回りがとても自由に動かせるとてもグッドなやつです。これを着とけば、私もあなたもグッドなバイブス間違いなし。ぜひ!(店主)

> Raglan Sleeve Print Tee "Good Vibes Only"